茨城攻略、始動──底冷えの夜に刻んだ教訓

経験は、凍える夜にこそ磨かれる

密やかなる布石

紀伊半島の旅を終えて三週間。心地よい余韻に浸る間もなく、俺は次なる座標を見据えていた。 ターゲットは、茨城県

実はこの地への侵攻は、昨年十一月の時点で密かに開始されていた。会社の研修という公務の隙間を縫い、俺は「五霞(ごか)」「さかい」「まくらがの里こが」の三拠点を制圧。記念切符という名の戦利品は、すでに手中に収めていた。

だが、この時の俺の真の目的は、単なる切符収集ではない。
来るべき大規模遠征を見据えた「車中泊の練度向上」。それが、この隠密行動の真のテーマだった。

誤算──「氷の底」との対峙

十一月の夜、俺は「まくらがの里こが」の駐車場で車中泊を決行した。ここ、まくらがの里は今まで見てきた道の駅とは違い、規模が驚くほど大きい。台数はもちろん、大型車も何台も駐車できる。実際その日も何台もの大型車が仮眠をとっていた。俺が愛車を止めた場所は道の駅の建物からみて一番奥の方の駐車スペースだった。そして、ここはコンビニ併設の道の駅で24時間営業と来てる。しかも、お手洗いもとてもきれいだ。車中泊するにはお勧めの道の駅だ。

だが、自然の猛威が牙を剥く瞬間を目の当たりにする。
事前の準備に手抜かりはなかったはずだ。毛布二枚に寝袋、さらにベビー用の毛布を二枚。重装備で守りを固め、「これで万全だ」と確信して目を閉じた。

しかし、夜の帳(とばり)が深まるにつれ、現実は無情にも私の想定を突き破った。
寒気は上からではなく、「下」から来たのだ。
アスファルトの冷気を吸い込んだ車の底板が、巨大な氷の塊へと変わる。毛布を何枚重ねようとも、その隙間を縫うように、鋭い冷気が容赦なく体温を奪っていく。

敗北、そして決断

「これほどまでか……」

万全を期したはずの装備が、まるで紙切れのように頼りなく感じられる。
体の芯まで凍てつき、もはや精神力だけでは抗えない領域。俺はついに、プライドを捨てて手を伸ばした。

静まり返った車内に、エンジンの始動音が響く。暖房という「文明の利器」に頼らざるを得なかったその瞬間、私は己の経験不足を痛感していた。

だが、この凍える夜の敗北こそが、次なる装備の革新を生む。
茨城の冷気は、俺に「底冷え」という名の真実を教えてくれたのだ。

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