どこまでも続く平野の圧巻、そして山影に潜む未知への序曲

平野に浮かぶ、活気と休息の巨大母艦(メガフロート)
道の駅しもつまでの「もつ煮丼」の余韻が、胃袋に心地よい重みとして残っている。さらに北上を続ける道中、この「うれしい苦しさ」が、旅の充足感をより確かなものにしていた。
国道294号、片側2車線の快走路をひたすら北へ。
車窓を流れるのは、どこまでも続くのどかな田園風景だ。行けども行けども景色に劇的な変化はない。だが、俺はこの「何もないようで、確実にある」茨城の風景を、心から気に入っている。
俺が愛するのは、主に茨城の南部側だ。
北部のような険しい山の威圧感はなく、見渡す限りの平野が開放的な農村地帯を形作っている。その圧倒的な広がりの中に、突如として活気ある街が点在する。自然の懐に抱かれながら、現代的な営みが共存しているそのバランスこそが、茨城の持つ底知れない魅力なのだ。
20分ほど北上し、ナビの指示に従い右折。
道なりに進むと、下館駅の南側へと出た。駅前の喧騒を抜け、国道50号へと愛車を滑り込ませる。たどり着いたのは、「道の駅グランテラス筑西」だ。

ここは、道の駅という概念を超えたひとつの「街」だった。
野外ステージを囲むように配置されたモダンな建物。広場で無邪気に遊ぶ子供たちの声。そこは単なる休憩所ではなく、人々を集め、活気を生み出す巨大な装置として機能していた。


インフォメーションセンターで記念切符を手にする。新しく清潔な施設、広大な駐車場、スタバやセイコーマートといった充実のラインナップ。車中泊の適地として、これ以上の場所はそうそうないだろう。


甘い香りに誘われるテラスの休息。山間部への門口(かどぐち)に立つ洗練の空間
グランテラス筑西の活気を背に、国道50号を東へと進路を取る。
走るにつれ、景色の解像度が変わっていく。左手には山並みが迫り、右手には依然として平野が広がる。JR水戸線沿いを進むと、右側にも巨大な質量を感じるようになった。筑波山だ。
この一帯は、茨城が持つ二つの顔——「平野」と「山間」の境界線なのだろう。
線路を境に、北は峻険な山々、南はどこまでも平らな大地。その絶妙な境目を、愛車と共にひた走る。40分ほどのドライブを経て、たどり着いたのは「道の駅かさま」だ。

ここもまた、施設が美しい。
至る所に踊る「モンブラン」の文字。後に職場の同僚——笠間から通勤している女子社員——にこの話を向けると、食い気味にモンブランの話題が返ってきた。開店前から行列ができるというその熱狂ぶりは、もはや伝説の域らしい。
建物の間を貫く大きな屋根の下、開放的なテラス席では、多くの人々が穏やかな昼下がりを謳歌していた。ファミマ併設という利便性も、旅人には心強い。

再び記念切符をポケットに収め、ナビを再設定する。
平野部の開放感に別れを告げ、フロントガラスの先には険しい山影が濃くなっていく。
いよいよ、俺は茨城の深部——山間部へと挑むことになる。
【 The Silent Journey:旅の軌跡 】

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